2019年5月31日〜6月4日 ひとり芝居 横浜ローザ

 平成から令和に時代が移り変わった節目で行いました、今年の「横浜ローザ」おかげ様で、無事に公演を終えることができました。ご観劇くださった皆様、誠にありがとうございました。

 

 ローザ初演から23年目を迎えた、演出に文学座の西川信廣さんをお招きし、今まで挑んできたことから視点を移行し、「語る」ということをテーマに取り組みました。

 

 今年は、メリーさんの直筆の手紙を発見し、新聞各社に大きく取り上げて頂きました。また、FMヨコハマの番組に出演、新しい観劇層を開拓することができました。そして、念願であった子供達にも伝えたいーこの思いを汲んでいただき、読売新聞ジュニアプレイスから小・中・高校生が、稽古場と本番の舞台を取材し、記事を書いてくれました。伝えるということの思いが、少しずつですが広がって行き、心からの喜びでいっぱいです。また、今回で4年目となる「学生との対話」、横浜国大、横浜市大、立教大学、関東学院など、各大学で学生達と語り合いました。

 

 今年は、実際に舞台のスタッフとして横浜市大の学生さんに手伝っていただくなど、今を生きる若者たちへの伝言として、歩みを進めております。

 来年の「横浜ローザ」は、横浜大空襲があった5月29日が初日となり、6月2日に千秋楽を予定しております。

 是非「横浜ローザ」に逢いに来てください。

 

五大路子

 

 

2018年 ひとり芝居 横浜ローザ

撮影:森日出夫
撮影:森日出夫

無事、終戦記念日の8月15日赤レンガ倉庫のホールにて、「横浜ローザ」22年目の千秋楽を迎えることができました。お越しになってくださった皆様方、本当にありがとうございました。

 

今年は公演前に横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、慶応義塾大学、関東学院大学をめぐり、ゼミや授業で「横浜ローザ」に関しての講演や学生たちとの語り合いを積み重ねて参りました。そしてたくさんの学生さんに稽古場や劇場にお越しいただきました。大学生の多くは20歳前後ということ。 横浜ローザが初演より22年目ですので、この「横浜ローザ」の初演後に生まれてきた若者たちでした。「学生との対話」を始めたいきさつは、この「横浜ローザ」との出会いを通じ、彼らの若い想像力をたくさん膨らませて、戦争や今を生きる事、人間とは何かを、共に考えられたらと言う思いからです。

 

平成もあと残りわずか…アンケートの中に、平成とはなんだったんだろう、昭和のかけらだったのかも…ローザが一筋の光とスモークのなかに消えていくとき、彼女が私でないとなぜ言えるのだろう、時代の隙間に取り残されたような、それでいて確かに彼女は彼女の現実を、人生を、心を持って曲がらずに生きていたのだ…。年号が変わり、新しい時代を迎えようとも、彼女が投げかける問いを考えていきたいと思います。 今回の公演では、小学5年生の男の子がお母さんと一緒に観劇してくださり、公演後、「どうだった?」と感想を尋ねました。「戦争が怖いと思った、そして戦争やらなければいいと思った。」その言葉に胸が震えました。ローザを演じ続けて22年、ニューヨークでは15歳の少女の言葉に出会い「彼女は私のヒーローとなった。どんなことがあっても立ち向かい生き抜いた」この言葉に励まされ、日本に戻り学生や若い人たちに伝えてきましたが、今回は最年少の小学5年生の言葉が私を奮い立たせてくれています。

 

来年は5月に赤レンガ倉庫に横浜ローザが戻って参ります。ぜひぜひ23年目の横浜ローザに会いに来てください。毎年毎年、その時を生きる違うローザの命が紡ぎ出され、輝きます。来年5月にまたお会いできることを心より楽しみにしております。

 

暑い中ご来場いただきました皆様本当にローザに愛してくださりありがとうございます。 そして長い間スタッフとしてささえてくださっている皆様、ボランティアの皆様、応援してくださっているフレンズクラブの皆様、本当に本当にありがとうございます。 心よりの感謝を込めてー 10月にはーランドマークホールにて「赤い靴の少女・母かよの物語」を上演します。 童謡100周年の今年、「赤い靴の少女」にも会いに来てください。

五大路子

 

 

 

2017年5月26日〜30日 ひとり芝居 横浜ローザ

5月30日 横浜ローザの公演が終了致しました。

たくさんの方に横浜赤レンガ倉庫に足を運んでいただいて心より感謝しております。

 

芝居の最後にローザが会場を歩くのですが、たくさんの拍手と「ローザ」と呼んで下さる声が届いて実は泣きながら歩いていました。 来年は又8月に赤レンガ倉庫で上演する予定です。 ニューヨークバージョンは今年が最後ということで、来年はまた違った演出での横浜ローザをお届けしたいと思っています。

 

今年は昨年に引き続き、「若い人たちに伝えたい」その思いで今年は立教大学、横浜国大、慶応大学、関東学院大学で学生と戦争をテーマに話をさせてもらい、意見交換をしました。 そして、昨年交流した高校生が、大学一年生となって舞台を見にきてくれました! 感想を聞きながら“繋がっている、ローザの命の伝言”を感じることが出来ました。

 

ずっと問いかけ続けてきた「昭和を生き戦争に翻弄されても立ち上がり、生きた彼女から受けた問いかけ」 ―あなた私たちの生きた時代をどう思うの?― その答えを探して、21年が経ちました。まだ答えはわかりません。これからも若い人たちに伝え続けていきたい。問いかけていきたい。 この身体と心を燃やして伝えていきたい、いかなければ!と強く思った公演でした。

 

また今回、会場では神奈川県公文書館で見つけた戦後を生きた横浜の娼婦たちの聞き取り文をごく一部ですが展示させていただきました。 反響はものすごく多かった…そして公文書館での取材の様子を映像に移し、昨年ローザ20周年記念コンサートでその一部をバイオリンの音とともに朗読した映像を流しました。 2018年の横浜ローザに向かって歩き始めます。 ありがとうございました。

五大 路子

 

 

 

2015年4月25日、26日 ニューヨークにて横浜ローザ

○●2015年4月25日、26日○●

アメリカのニューヨーク「ジャパン・ソサイエティー」にて横浜ローザを上演!!

 

初めての海外公演を大盛況に無事終了して帰国しましたことをご報告させていただきます。

沢山の皆様の応援をいただき、「横浜ローザ ニューヨーク公演」が実現し、出演者、スタッフが力を合わせた舞台をニューヨークで発表することができたことを感謝いたします。

 

2日間の公演でしたが、日本から観劇に参加していただいた皆様20名に加え、ニューヨーク在住の日本人の方、アメリカ人、マスコミ、ジャーナリストの方々で満席となりました。

 

現地での取材は、共同通信、ロイター通信、日経新聞、毎日新聞、現地コミュニティ新聞、そして、ニューヨークタイムスの取材を受けました。 特にニューヨークタイムスについては、普段2日間だけの公演を取材することもカラーページに写真が3点掲載されることも異例だと主催者(ジャパンソサエティ)も驚いて興奮しておりました。

 

1日目の公演終了後には、五大さんをお客様、スタッフ、関係者が囲むレセプションが行われ、沢山の皆様とふれあうことができ感動的でした。 そして、2日目は日本人の割合が少なかったのですが、公演終了時に一番前の男性がひとり立ち上がり拍手をすると、後方のお客様がみんな立ち上がり、まさかのスタンディングオベーションとなりました。(これには五大さんも号泣でした)

 

このニュースは日本でも山手線の中の文字放送で流れたようで、関係者からすぐ知らせがありました。

皆様の心温まるご声援に心より御礼申し上げます。

 

 

 

2014年8月14日〜18日 ひとり芝居 横浜ローザ

2014横浜ローザを終えて≫

 

 私がこの芝居のモデルとなった白塗りの老娼婦メリーさんと出会ったのは、23年前の5月の横浜みなと祭の日でした。凛と前を見据えた眼差しが私に向けられた時、「あなた私の生きてきた今までをどう思うの?答えてちょうだい!」そう激しく問いかけられたような衝撃を受けました。それから彼女の足跡を追いかけ取材し始めたのです。街中の人達に~ そして彼女が立ち寄るお店にと~。彼女は自分の過去をひとことも語りませんでしたが、取材を続けているうちにその中から見えてきたものは、この街にかつて米軍キャンプがあり、伊勢佐木町の奥には米軍の飛行場があり、またカマボコ兵舎があり、夕方5時になると門が開き沢山の米兵が街に繰り出してくる光景でした。彼女のあの白い顔の中に封じ込められた無念さ、そして故郷に仕送りをし続けている事など、それらをひとつひとつ解き明かし、探し、問いかけ続ける中であっという間に18年が経ちました。

 

 彼女の故郷は、山々に囲まれた緑の多い、大きな川の流れる美しい村です。その美しい村に、私はお墓参りに行ったことがあります。なぜか私は不意に涙があふれ、彼女に何か言ってほしいと問いかけるような気持ちになりました。その時、不思議なことに聞こえてきたのです…「あなたはあなたを探しに来たのね!」・・・・「えっ?!」私は辺りを見回しましたが、ただ、一輪の野あざみが風に揺られて微笑んでいるだけでした。

 

 私の、彼女を追いかけた著書「白い顔の伝説を求めて」にもありますが、その後、帰りに晩年を過ごした養老院を訪ね、彼女の過ごした部屋を見せていただきました。帰りがけに職員の方に「大きな男の人を怖がったりしていました」と聞いた時、私は愕然としました・・・・。彼女はあの白塗りの化粧をとった後も、人生を取り返すことができなかった・・・・のかと。

 

 帰りの列車の中から見た彼女の故郷の山々の美しさが胸にいたく突き刺さってきました。彼女はもういない、でもあの時、出会い、そして受け取ったメッセージは、最後に握手した時の彼女の小さな手の冷たさと共に今も私の中に生き続けています。 そんな祈りを込め、今年また、ローザの命が蘇りますよう舞台に立ちたいと思います。

 

 来年の4月、作家 杉山義法先生と私の願いでもあったアメリカ公演が、終戦70周年記念公演としてニューヨークジャパンソサエティの招聘を受け、実現する事になりました。海を越えこの地から、彼女の命のメッセージを届けたいと思っております。今回はその先行公演として新しい演出で挑みました。 ご覧になっていただく皆様の心に、平和への願いと共に、ローザの心が届きますように・・・・・。

 

五大路子

 

 

 

2013年8月15日〜19日 ひとり芝居 横浜ローザ

2013横浜ローザを終えて≫


 

今年のローザは、「メリーさんは亡くなるとき、何を見て、何を感じたのだろうか」と深く気持ちを巡らせ、“今”というものを感じながらの稽古となりました。

 

 『私ら、時代に使い捨てにされてたまるものですか!』元次郎さんの言葉が蘇り、『ヨコハマメリー』の映画の中で元次郎さんが歌うマイウェイの歌詞「私は一度もしていない 人を裏切ることだけは」のところで何度も何度も何度もうなずくメリーさんの姿が頭から離れませんでした。

 

 戦争に翻弄されながらも一生懸命生きぬいたひとつの命、二度と起こしてはいけない戦争、ひとつの命の尊厳とその重さを強く感じながらの稽古が続きました。

 

 そして 815日 幕が開きました。

 

 お客様が私のセリフを耳をそばだてて聞こうとして下さっているのを感じ、体が震えていました。お客様はもはや観客ではなく、時空を超え共にローザの記憶を旅して下さった同行者のように感じていました。

 

 そして真っ白に顔を塗り、白いドレス・太い黒いくまどりのようなアイラインに真っ赤な唇、手には紙袋を持ち街で立っていたときの姿になり、ラストシーン・一輪のバラを持ち、会場の中を黙々と背をかがめ歩いているとき、私には光の中にずっと続いている一本の道が見えてきていました。会場は拍手の渦なのに、シーンと静かな空間の中吸い込まれていくようでした。

 

 舞台の奥の「心」と書かれた幕の先で輝くオレンジの光は―2013年の横浜ローザの命をしっかりと受けとめていてくれました。

 

 今年、この横浜ローザにたくさんの愛を注いで下さった皆様、本当にありがとうございました。また来年もローザに会いにいらして下さい。お待ちしております。

 

 再来年の横浜ローザ20周年には、日本のみならず、世界中へローザの心を伝えていきたい!そんな夢を描いています。

 

 9月からは、10月に行われます、横浜夢座 第11回公演(プレ15周年公演)『俣野町700番地 夢の国~ドリームランドへの手紙~』の稽古に入ります。そちらも是非いらして下さいね!

 

 まだまだ暑い日が続きます。皆様、どうぞご自愛下さいませ。

 

2013.08.20 五大 路子